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2009年7月14日 (火曜日)

「小説 盛田昭夫学校 (上)(下)」江波戸哲夫 (komeの本棚2)

4年前、2つ前の職場で、コンサルタントが、
「勉強になるから読むように」
と宣ったので、買ってはみたものの、・・・・

 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51CST9EC64L._SS500_.jpg
・・・・当時は完全に仕事に嫌気がさしていた頃で、
「仕事がらみ」ではなかなか気が進まず、「2分冊900ページ」に圧倒されてしまった。
それでも読んでみようとプロローグを読むと、壮大な社葬。財界の著名人の名前ばかり出て来て、「うさんくさい!」そこで完全に読む気が失せてしまったのだが・・・。
 
 
4年後の昨日一昨日、2日で一気に読み終えてしまった・・・。
 
ガマンしてプロローグの次の第1章まで読み進めればよかったのだ。
終戦直後、小さな町工場、東京通信工業が、井深大と盛田昭夫という二人の才能に導かれ、国産初のテープレコーダー、自製トランジスタによるラジオ、ポケッタブルラジオと次々と人々を驚かす大ヒット製品を開発、"SONY"のブランドで世界に進出する、という一大変遷記なのだ。
 
常に独自の技術であることを信条とし事実に基づく徹底した議論で部下が抱える技術的問題をブレークスルーに導く井深、真に正しい事とは何かを透察し物理的制度的なあらゆる問題を"即断即決"で次々に取払い技術者たちの開発の道を作り続ける盛田、彼らを取り巻く仲間たちの奮戦とそれに伴ってソニーがドンドン成長を遂げて行く様は実に痛快。

 http://ec2.images-amazon.com/images/I/51MMDE6630L._SS500_.jpg
ソニーはその後も技術的な壁を乗り越え、"トリニトロン"カラーテレビ、カセット式ビデオ"ベータマックス"を開発、マーケティングが勝負の鍵となったご存知"ウォークマン"とヒット商品を連発していく。その一方で、海外での販路拡大、ブランド侵害問題、日米半導体摩擦、アメリカのユニタリータックス、などの諸問題を、日本企業の先頭に立って粘り強く解決して行く・・・

読みながら、実は自分は"ソニーファン"だったことを思い出していた。
小学校の友達の家にあった"トリニトロン"が羨ましかった。
初めて買ったシングルはCBSソニーの清水健太郎だった。
初めて買ってもらったラジカセはやっぱりソニー、もちろんカセットテープも基本はソニー。
月に1度は銀座のソニービルに行って、中学生には手の届かないあこがれのオーディオ製品のかわりにカタログをたんまり持って帰った。
短波ラジオブームがくると迷わず"スカイセンサー"を買った。

おかげで、就職してから買ったミニコンもソニー。
机の足下にはいまもレコーダブルウォークマンが転がっている。
結婚祝いで8ミリビデオをもらったっけ。
家電製品を選ぶ時はかならずソニーのカタログは選考対象に入れる。

またソニー好きが頭をもたげそう。
 
本題は、盛田の痛快な仕事ぶりと、年を経る度に増して行くカリスマ性。そして人知れず抱える苦悩。
読んでいるうちに、仕事で自分はなんてちっぽけなことで悩んでいるのだろう、つまらんことで苦しんでいる事がばかばかしい、なんて気持ちになってくる。
ま、読んだからといってそう簡単に自分のスタイルは変えられないんだけど(実際今日もそうだったなぁ)。とにかく元気にはなってくる。

ちょっと読み応えのある分量だが、戦後日本の電子工業史として、やりがいのある仕事の仕方の教科書として、そしてソニーファンのバイブルとして、おすすめ。

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